つくばセンター広場で乾杯!「大吟醸を楽しむ会 in つくば」■6/7開催イベントレポ

2025年6月7日(土)つくば市吾妻にあるつくばセンター広場にて「大吟醸を楽しむ会 in つくば」が開催されました。茨城県酒造組合が主催するこのイベント。実際の会場の様子を取材させていただきましたので、以下にご紹介したいと思います。

茨城県各地から18の蔵元が出店した「大吟醸を楽しむ会 in つくば」

一般に日本酒の中での高級品といわれてすぐに思い浮かぶのが「大吟醸」。原料となる米の精米歩合(玄米を表面から削っていったときに残った部分の割合のこと。精米歩合70%とは、玄米の外側を30%削って精米したもの)が50%以下のもので作られた日本酒を「大吟醸」と呼びます。
一般にこの精米歩合のパーセンテージの値が小さいもの(より多く外側を削っているもの)ほど、原料のお米を贅沢に使用することになり、そこから作られるお酒の味は、雑味やクセが少なく、よりフルーティですっきりとした味わいになります。
さらにこの「大吟醸」の中で、醸造アルコールを添加せず、「米と米麹のみ」を用いて作られたものが「純米大吟醸」です。
これら「大吟醸」と「純米大吟醸」のみを集めた贅沢なイベントが、この「大吟醸を楽しむ会」です。
本イベントには茨城県各地から18の蔵元が出店(都合により1蔵元が出店中止となりました)をしていました。

大勢の人でにぎわいをみせた「大吟醸を楽しむ会 in つくば」は今年2回目の開催

こちら茨城県酒造組合会長の浦里浩司さん。まずは会長の開会の辞でこのイベントが始まりました。

大勢の日本酒好きの方が集まった「大吟醸を楽しむ会 in つくば」。2回目となる今年もこのように盛況でした。
各テントにはそれぞれの蔵元が手塩にかけて作った「大吟醸」「純米大吟醸」が持ち寄られました。

各蔵元ご自慢の「大吟醸」「純米大吟醸」をご紹介します

●浦里酒造店

こちらは開会の挨拶をされた浦里浩司さんが代表を務める地元つくば市にある浦里酒造店のブースです。

写真左と中央に見えるのが「霧筑波」という銘柄の大吟醸と純米大吟醸。低温でよく発酵する特別の酵母が使われており、ともにキレの良い淡麗辛口に仕上がっています。右にあるのは、阿見町産のお米ミルキークイーンとバラ酵母で作られた純米大吟醸「桜翔(おうしょう)」。南国フルーツのような香りのエレガントなお酒です。
(公式HP:https://www.kiritsukuba.co.jp/

●稲葉酒造

こちらつくば市は筑波山の麓(ふもと)にある蔵元、稲葉酒造の純米大吟醸。どちらも袋吊りで自然の重みだけで落とした最高峰の雫酒。右側にあるのは、筑波山の湧き水と兵庫県産の米 山田錦で作られた「男女川(みなのがわ)」という銘柄。筑波山を源流に桜川まで注ぐ川、男女川の名前を関するお酒です。左にあるのは「すてら」という銘柄の純米大吟醸。フルーティで透明感のある味わいのお酒です。

こちらは「すてら」の生酒純米大吟醸。生酒とは加熱処理をしていないお酒です。一番右にあるのは、手搾りで無濾過のもの。中央は搾った後に水を添加していない原酒。左は生原酒のにごり酒でクリーミーな飲み口が特徴です。
(公式HP:https://www.minanogawa.jp/

●磯蔵酒造

こちらは「大吟醸を楽しむ会inつくば」の実行委員長を務める磯貴太さんが蔵主となっている笠間市の磯蔵酒造。いずれも銘柄は「稲里」になりますが、一番左にあるのが「純米大吟醸 日々是好日(にちにちこれこうじつ)」。こちらは地元石切山脈の御影石から染み出た地元の水を使用するだけでなく、米も米麹も笠間産。米の味と香りのするRicey(ライスィ)な日本酒を、地元の材料と人で作り上げました。その右側にあるのは左から順番に、大吟醸 搾りたて生、大吟醸 五百万石、純米 山田錦となっています。
(公式HP:https://isokura.jp/

●井坂酒造店

こちらは1818年創業という、なんと200年以上続いている井坂酒造店。左に見えるのは創業200年をきっかけに醸造を開始し、常陸太田市産の米 美山錦を使用した「日乃出鶴 純米大吟醸」。中央にパンフレット、右手に実物があるのは「日乃出鶴 純米大吟醸 囀仰(てんこう)」。鶴が空を仰いで囀る(さえずる)様子のイメージからこの名がつきました。こちらは茨城の酒米ひたち錦と茨城の酵母を使用する純茨城産の地酒。ひたち錦の特徴であるキレと淡麗さが残る、おだやかでフルーティな味わいのお酒となっています。
(公式HP:https://www.isakasyuzou.co.jp/

●木内酒造

こちらも1823年創業で200年を越える木内酒造。銘柄は「菊盛(きくさかり)」です。左から、ピュア茨城純米大吟醸 風と水(茨城県産ひたち錦100%使用)、純米大吟醸(兵庫県産山田錦100%使用)、純米大吟醸古酒 月下香(兵庫県産山田錦100%使用)が並んでいました。月下香は冷温で3年間熟成した古酒。マイルドでまろやかな深い味わいのお酒となっています。
(公式HP:https://www.kodawari.cc/

●岡部合名会社(おかべごうめいがいしゃ)

こちらは銘柄「松盛(まつざかり)」を醸造する岡部合名会社。左から、自然落下雫酒 純米大吟醸「祥」、特上松盛大吟醸、大吟醸「悪代官」となります。特上松盛大吟醸は、約1年間熟成した丸みのある味わいで海外でも人気の商品。「悪代官」は名前が強烈ですが、華やかで洗練された香りのお酒です。ジューシーな口当たりで辛口に仕上がっています。
(公式HP:https://www.matsuzakari.co.jp/

●来福酒造

こちらはなんと1716年筑西市で創業したという300年超え企業の来福酒造。自家精米でなんと8%まで磨いた純米大吟醸を販売しています。箱の上に見えるのが精米前の玄米と8%まで精米したお米のサンプル。ここまで削って使うのですね。酵母には自然界の花から分離された花酵母を使用。こちらの来福酒造はこの他なんと精米歩合7%品まで商品化をしています。
(公式HP:https://raifuku.co.jp/

●須藤本家

こちらは日本で初めて生酒を出したといわれる須藤本家。収穫後5ヶ月以内の新米のみを用いた純米大吟醸のみを販売しています。さらに自然のバランスを崩したくないという考えからすべて無濾過で製造。写真は左から、生酛(きもと)純米大吟醸 郷乃誉(さとのほまれ)、純米大吟醸 霞山(かざん)、純米大吟醸 郷乃誉、氷温熟成した生原酒の純米大吟醸 郷乃誉です。これらの原料米は全て笠間産のコシヒカリを使用しています。
(公式HP:http://www.sudohonke.co.jp/

良質な水と米に恵まれた茨城県ならではのイベント「大吟醸を楽しむ会 in つくば」

茨城県内の各蔵元が自信をもって製造した最高級品「大吟醸」「純米大吟醸」を持ち運び開催されたイベント「大吟醸を楽しむ会inつくば」。茨城県という質の良い水脈と稲作に適した風土を有する土地ならではのイベントだと感じました。蔵元も大変歴史のあるところが多く、長く親しまれてきた地酒の魅力も感じたイベント。また来年も開催されることを期待して、このレポートを終えたいと思います。ご協力いただきました蔵元様、誠にありがとうございました。

「大吟醸を楽しむ会 in つくば」(終了イベント)
開催日時:2025年6月7日(土) 15:00-18:00
場所:つくばセンター広場(茨城県つくば市吾妻1-10-1)
アクセス:つくばエクスプレス線「つくば駅」から徒歩約3分
公式HP:https://ibaraki-sake.blogspot.com/2025/05/in.html

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。