つくば市谷田部にある醤油・味噌の醸造と販売をおこなう「沼屋本店」。創業は明治の初めで、なんと150年以上続いている会社です。国産の丸大豆を使用し、今も手造りで醤油・味噌の製造をおこなうこの会社。今回、醤油醸造所の中の様子も見学させていただきましたのでご紹介したいと思います。
昔懐かしい情緒あるたたずまいの「沼屋本店」

つくば市谷田部にある「沼屋本店」。このあたりは江戸時代、下野国(しもつけのくに/現在の栃木県)の大名、細川興元(ほそかわおきもと)が「大坂の陣」の功績によって、常陸国(ひたちのくに/現在の茨城県の南西部を除いた地域)内で6000石以上加増されて立藩した「谷田部藩」の中心地にあたる場所でした。
谷田部には今も歴史的な史跡や文化財が数多く残されています。そんな風情あるこの町で、伝統的な手造りの醤油・味噌を作り続けて150余年。「沼屋本店」は今日も醤油・味噌の醸造と販売を行っています。

ガラス戸を開けて店内に入ると、これまた味のある「沼屋本店」と書かれた看板が目に入ります。木造の昔懐かしい雰囲気を今も残しているこの店内。なぜか心が落ち着くのを感じました。
杉製の木桶に入れ2年間の長期熟成で作る昔ながらの手造り醤油

店内の端の方にひかえめに陳列された商品が見えました。
まずは醤油から。国内で普通に流通している醤油は、ステンレスか強化プラスチックのタンクで約半年熟成して生産されているのに対し、「沼屋本店」で作られている「匠しょうゆ」と名付けられたこの醤油、昔ながらの手造りで、杉で作られた木桶を使い2年間の熟成期間を経て製造されています。
「匠しょうゆ」は原料にもこだわり、厳選された国産丸大豆・小麦が使用されており、まろやかで濃厚な味が特徴となっています。
お値段は200ml 410円(税込み、以下同様)、500ml 799円です。
厳選された国産丸大豆と地元茨城産の米を使った手造りの天然醸造味噌

店内、醤油の近くに並んでいたのは味噌。厳選された国産丸大豆と地元茨城産の米を使い、じっくりと仕込んで作る昔ながらの天然醸造味噌には、白味噌と赤味噌の二種類があります。
価格は、白味噌:1kg 470円、赤味噌:1kg 800円となっています。
その他、「匠しょうゆ」を使っためんつゆや焼き肉のたれ、ポン酢も販売中。
ポン酢は筑波山特産の福来(ふくれ)みかんを使用しており、地元の食材を使ったメニューが出される秋口の学校給食に使われているそうです。
またこのポン酢(商品名「福来ぽんす」)は、つくば市が認定するつくば市を代表する優れた物産品「つくばコレクション」にも認証されています。
上記の商品は全て「沼屋本店」公式HP(https://www.numaya.co.jp)にある「オンラインショップ」からも購入が可能です。
自宅用だけでなく、ギフト用の箱詰めセット商品も取り扱いがありますので、一度覗いてみてはいかがでしょうか。
醸造所の中どっしりと黙座する直径8尺の巨大な木桶

今回は「沼屋本店」代表の多大なるご協力により、店舗の裏手にある醸造所の中を拝見することができました。
薄暗い醸造所の中には、ものすごく大きな木桶、なんとその直径は8尺(約2.5m)!「匠しょうゆ」はこのような木桶の中で2年間も熟成されています。この年季の入った木桶の迫力、なかなかのものでした。

こちらには、一回り小さい木桶がありました。このはしごで上がって木製の道具を使い、タイミングよく木桶の中をかき混ぜる作業をおこなうのだそうです。これぞまさに職人技。150年を越える歴史を感じます。
お客様の健康を願い日々精進の「沼屋本店」
「沼屋本店」の代表は現在5代目。過去には設備修繕のために、支援を募る「クラウドファンディング」にも参加するなど、新しいことにも前向きに取り組んでいる方です。
「お客様の健康を願い、手間ひまを惜しまず体に優しいおいしいものを」との想いで日々精進している「沼屋本店」。これからも今と変わらず、おいしくて体に優しい醤油と味噌の製造販売をお願いします。
この度は取材に対しても惜しみないご協力をいただきましてありがとうございました。
沼屋本店
住所:茨城県つくば市谷田部2970
アクセス:つくばエクスプレス線「みどりの駅」から車で約7分
駐車場:なし
TEL: 029-836-1414
営業時間:9:00-18:00
定休日:日曜、祝日
公式HP:https://www.numaya.co.jp(オンラインショップあり)