つくば市小野崎「NAMICHIDORI茶房」で涼と抹茶を味わう和のひととき

つくば市小野崎にある甘味・お食事処の「NAMICHIDORI茶房(なみちどりさぼう)」を訪問。
和の心を感じる静かな空間で、記憶に残る「かき氷」に出会いました。

夏の涼を求めてたどり着いた、つくばの小さな避暑地

暑い夏の日、つくばでひとときの涼を求めて私が訪れたのは、「NAMICHIDORI茶房」。

「和」と「茶の湯」の精神を大切にした、甘味・お食事・カフェを楽しめる茶房です。
一歩足を踏み入れると、ゆるやかな時間と静けさが流れる空間が広がっていて、おいしい抹茶と季節の和菓子を味わいながら、窓の外に広がる美しい日本庭園(茶の湯で言う“露地”)を鑑賞できるのが魅力。

アクセスは、つくばエクスプレス「つくば駅」から徒歩約15分。
近くにバス停もいくつかあり、訪れやすい立地です。

波千鳥ののれんをくぐると、メダカたちが迎えてくれる

お店の営業日は、門の前に看板とやわらかな薄い青色の「波千鳥ののれん」が掲げられています。

のれんをそっとくぐって中へ入ると、まず目に飛び込んできたのは、青と白の染付模様が美しい丸い鉢と、落ち着いた色味の十角形の鉢。
その水の中を、メダカたちがすいすいと気持ちよさそうに泳いでいました。

水面には柔らかな光が反射して揺らめき、葉がそっと浮かんでいて、つい足を止めて見入ってしまうような、静かでどこか懐かしい時間が流れていました。

「この先にも、きっとステキな和の空間が広がっている」そんな期待を抱かせてくれる、メダカたちのお迎えです。

畳の茶室で、椅子に腰かけてくつろぐ

のれんをくぐって中へ進むと、落ち着いた畳の茶室空間が広がっています。
けれど、ここでは正座の必要はありません。
テーブルと椅子が用意されていて、どなたでもくつろぎやすい空間になっているのがうれしいところ。

とはいえ、床は畳なので、靴を脱いだ足元には清潔感のある靴下が◎。
ちょっとした所作の心地よさが、この空間と調和してくれるようです。

店内には掛け軸やお花が丁寧にしつらえられていて、まるで小さなお茶会に招かれたような気分に。
自然光がやわらかく差し込み、椅子に腰かけて深呼吸するだけでも、心がすっと落ち着いていきます。

なお、店主さんお一人で営業されているため、注文や料理の提供はゆっくりと順番にまわってきます。
お急ぎの方には向かないかもしれませんが、時間に余裕のある日に訪れてほしい、そんなお店です。

季節ごとに移り変わる、茶房の甘味メニュー

NAMICHIDORI茶房の甘味メニューは、その時季ならではの和の味わいを大切にしたラインナップになっています。

通年提供されているのは、

  • 手づくりのあんみつ
  • 季節の素材を使った上生菓子(主菓子)
  • 抹茶やコーヒーなどのドリンク類


さらに日曜日限定・予約制で、懐石体験コース(2名〜)も用意されています。
茶の湯の文化を体験できる、特別なコースです。

ただし、夏季は「かき氷」がメインとなるため、あんみつの提供は一時お休み。
7月~8月は、かき氷と主菓子を中心としたメニュー構成となります(かき氷の提供期間は未定のため、訪問前に要確認)。

まさに、今この瞬間だけの味を楽しむ場所。
暑い季節にひんやりとした甘味を味わいたい方は、ぜひこのタイミングに訪れてみてください。

茶室でいただく、まるで冷たいお抹茶。常識を覆す「宇治金時ミルク」

「かき氷はすぐ溶けるから苦手」「味がぼんやりしていて最後まで食べきれない」
そんなイメージを持っていた私の“かき氷観”を覆してくれたのが、「NAMICHIDORI茶房」の「宇治金時ミルク」(1,200円)でした。

使われている抹茶は、茶道でも使用できるほど上質なものだそう。
一口食べた瞬間、まるで冷たいお抹茶をそのままスイーツにしたかのような、奥行きのある苦みと香り高さがふわりと広がります。

そして、中には隠れるように添えられたあんこ。
甘さは控えめで、小豆の風味がしっかり生きた、静かで上品な味わいです。
色もほんのりとした藤紫色で、華やかさというよりは、静謐な美しさを感じさせてくれます。
甘いものが得意でない方にも、自信を持っておすすめできる一品です。

氷は、不純物の少ない「純氷」を使用しているとのことで、舌ざわりも極めてなめらか。
驚いたのは、氷が多少溶けても味がぼやけず、むしろ抹茶の濃さと練乳のコクが最後までしっかり残ること。
スプーンを進めるたびに新たな一面があらわれるようで、「かき氷ってこんなに奥深いんだ」と心から感動しました。

かき氷が盛られていたのは、白椿と鮮やかな緑の葉が描かれた器。
白椿の花と白玉のまんまるな姿が重なり、緑の葉と抹茶の色も美しくリンクしていて、まるでこのかき氷のために選ばれたかのような一体感がありました。
器まで含めて、ひとつの作品をいただいているような気分になります。

宇治か、八女か。選べる抹茶の贅沢

抹茶(620円)はなんと、京都・宇治の「山政小山園」と、福岡・八女の「星野製茶園」から選ぶことができます。

どちらもお茶の本場として知られる有名な茶園で、特に「山政小山園」は茶道の先生方からも長年選ばれているそう。まさに茶道の本場・宇治のお茶。

一方「星野製茶園」は玉露の名産地・八女にあるお茶園で、抹茶にもその旨みとまろやかさが活きているのが特徴です。

今回私は、星野製茶園の抹茶を選びました。

ひとくち含むと、まろやかな旨みとほのかな苦みがバランスよく広がりました。どこか丸みのある優しい味わいで、甘味と一緒にいただくことで、抹茶の輪郭がよりくっきりと引き立ちます。

かき氷とともに味わう抹茶は、その場の空気や光、静けさまでも包み込んでくれるようで、一服のありがたさを感じるひとときでした。

季節のうつろいを、席に座ったまま味わう贅沢

テーブル席の目の前には、美しく手入れされたお庭が広がっていて、茶の湯で「露地(ろじ)」と呼ばれるその空間を、席に座ったまま静かに眺めることができます。

取材に訪れたのは夏の盛りでしたが、緑濃い楓の葉がそよ風に揺れ、室内に涼やかな気配を届けてくれました。
この楓は、初夏には“青楓(あおかえで)”として瑞々しい若葉を、秋には“紅葉(もみじ)”として赤く染まり、どの季節に訪れてもその変化をすぐそばで楽しめるそうです。

また、窓辺に置かれたステンドグラス風のランプが、和の空間にほんのりと洋のニュアンスを添え、光と影が交差するそのひとときも、まるで絵のような美しさ。

せわしない日常を忘れさせてくれる、“静けさ”という贅沢が、ここにはありました。

忙しい日常に、ひと呼吸を。ゆとりある日に訪れたい茶房

NAMICHIDORI茶房の営業日は、水曜・金曜・日曜日。
店主さんお一人で切り盛りされているため、急な用事やご家族のご都合による臨時休業があることも少なくありません。
訪問の際は、公式サイトの「茶房営業日カレンダー」をご確認のうえ、時間にゆとりのある日に訪れるのがおすすめです。

また、店内には掛軸や茶碗、花入といった繊細な茶道具が置かれているため、未就学のお子さまのご来店はご遠慮いただいているとのこと。
ゆっくりと空間を味わいたい方、大切な人と静かな時間を過ごしたい方にこそ、ぴったりの場所です。

今回は夏のかき氷とともに、青々とした楓の美しさを堪能しましたが、次は秋冬、紅葉に染まるお庭を眺めながら、あんみつをいただきにまた訪れたい。
そんなふうに思わせてくれる、心に残る一席でした。

NAMICHIDORI茶房
住所:茨城県つくば市小野崎437-1
アクセス:つくばエクスプレス「つくば駅」から車で約5分
TEL:029-851-9361
営業時間:水曜日・金曜日・日曜日の10:00-17:00(L.O.16:30) ※臨時休業あり
駐車場:有
ホームページ:https://namichidori.info/sabou-namichidori/

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。
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つくね
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つくば市在住8年目のアラサーです。つくば市の生産物が大好きです。旬の味わいや魅力を、リアルな体験を通して発信します。