地球に思いをはせる「つくば・地質標本館」

茨城県つくば市は、国内の研究機関が集中する「研究学園都市」として知られています。例えば宇宙開発の「JAXA(ジャクサ)」は、一昨年小惑星の「リュウグウ」から帰還した「はやぶさ2プロジェクト」のニュースで耳にした方も多いのではないでしょうか?

ここでご紹介するのは、隣の「産業技術総合研究所」にある「地質標本館」です。
地球に関する研究成果が展示されています。テレビ番組の「タモリ倶楽部」で取り上げられてもいました。

地震・火山・地下資源・鉱物・化石など、多くのテーマがもりだくさんです。
土日も開いていますので、ご家族での見学も多いです。子どもと科学の話をするのも、楽しい時間ですね。

恐竜の時代に行ってみます

産業技術総合研究所、略して産総研「さんそうけん」に入りY字路を右に進むと見えてきました。駐車場も広いです。
建物の表にも多くの鉱物が展示されていますが、看板も岩です。

2階建ての建物に入りました。

まずは子どもが興味をもちそうな、恐竜の化石を見ました。
この恐竜は「デスモスチルス」という名前だそうですが、完全な骨格は日本にしかないそうです。古代には、こんな動物が歩き回っていたのだと思うと、不思議な感じがしますね。

考古学者になった気分で

次に地質調査や岩石の展示を見ました。写真は「地質調査グッズ」です。コツコツとした手作業で、展示されているような繊細な化石や資料を得ているのですね。

壁には「地質年表」に沿った化石が展示されていました。下の写真はその一部で「白亜紀」のものです。1億46百万年前だそうで、気が遠くなるくらい昔ですね。そんな想像もできないくらい古い物が、こんなにきれいな状態で残っているなんて、すごいです。

宝石の原石がたくさんあります

そしてやはり「鉱物」といえば、「宝石」が思い浮かぶでしょう。宝石の原石も見ることができます。乙女心が刺激されますね。

写真は岩石を切り出したもので、鉱物が混ざっているのがわかります。一番上は「トパーズ」と書いてあります。11月の誕生石ですね。輝きはまだないけれども、これを発掘して切り出して磨き上げて、あの琥珀色の美しい宝石になるのだと思うとワクワクします。

通路を進むと、原石がたくさん展示されていました。きれいですね!下の写真のアクアマリン、ペリオドールなど聞いたことのある(買ったことはない)宝石です。うっとりと眺めました。

地震が多い日本

1階へ降りてくると、窓の外に大きな地層が展示されているのに気づきました。

建物2階分の大きさなので、迫力があります。
大きな地震のときも思いますが、地球は私たちが安心して暮らしているところですが、実は生きて絶え間なく動いているのだなと実感できます。固いと思っている岩石がこんなにぐにゃりと動くのですから。

活断層のはぎとり標本なども展示されていました。
大地震の軌跡をたどる上での貴重な資料です。

ほかにも、火山の説明や海底探査機械など、珍しく面白い研究成果が多く展示されていました。
昨年のノーベル賞は気候変動がテーマでしたし、先月トンガで起こった海底火山噴火で大きな津波があったことも記憶に新しいと思います。
地球には不思議で解明されていないことが多く残っています。
ぜひ、地質標本館で地球という「星」の神秘について、思いを巡らせてみるのもステキな休日の過ごし方になるのではと思います。

地質標本館
住所:茨城県つくば市東1-1-1
交通:つくばエクスプレス つくば駅から車で10分(産総研守衛にて入構手続きが必要)
            各種路線バスにて15分「並木2丁目」下車
営業時間:火曜日~日曜日 9:30~16:30
休館日:毎週月曜日(月曜日が休祝日の場合は翌平日)、年末年始(12月28日~1月4日)
    その他臨時休館日有り(公式サイトにてご確認ください)
電話:029-861-3750

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。